◇生活再建、急務/中流に堤防を/ウルトラCない
昨年10月に前原誠司?前国土交通相が全国の直轄ダム建設の凍結を宣言してから1年。県内でも大洲市肱川町の山鳥坂(やまとさか)ダムの建設が中断している。住民の間でもダム建設案の是非が分かれる中、国土交通省の有識者会議は9月、凍結中のダムについて検証手順を決定し、それを受けて国交省四 rmt アラド戦記
国地方整備局が新たな「ダムに頼らない治水案」の検討に入った。ダム凍結に揺れた肱川流域の住民。水没地域、中流域、下流域で、それぞれの思いは複雑だ。この1年と、住民本位の治水のあり方について2回にわたって検証する。【栗田亨】
◇…水没地域…◇
今年9月5日、水没予定の岩谷地区にある自治センターに、大筋でまとまった有識者会議の検証
手順案の説明を受けるため、水没地区の地権者協議会に加盟する住民ら約20人が集まった。
移転を前提に金融機関から借り入れをして住宅や墓を購入した住民も少なくなく、移転補償を先送りされたこの1年、生活再建の実施を国や県に再三陳情していた。しかし、7月上旬に大洲市を訪れた前原前国交相が「(継続?中止が決まらないままでは)生活再建策を
実施するのは難しい」と拒否。会合では、ダムの継続?中止の結論が出るのは来夏で、生活再建が予算化されるのはその後との見通しが示された。地権者の男性(72)は「更に1年たたないと決まらないのか」と深いため息をついた。
◇…中流域…◇
「あの家の辺りまで一面水につかった」
95年、04年、05年と3度の洪水に見舞われた肱川中流
域の大洲市菅田地区。肱川にかかる橋の上から、同地区に住む住民団体事務局長の有友正本さん(62)は、床下浸水に見舞われた数百メートル先の実家周辺を指差した。
菅田地区や東大洲地区は、洪水のたびに「事実上の遊水地」としてあふれた水を受け止めてきた。肱川で堤防計画がある48?6キロのうち、整備されたのは6割弱。菅田地区で完成したのは
わずか400メートルしかない。
「この辺りは江戸時代の堤防しかなく、無防備なんです。ダムよりも下流域の流下能力に見合った堤防を先に中流に造ってほしい」と有友さんは憤る。
◇…下流域…◇
肱川下流の同市長浜地区。合併前の長浜町長を務めた県議の西田洋一さん(56)は「中流域を堤防で締め切られたら、下流流域に水が押し寄せる」
と懸念する。町長時代、松山市に水を送る中予分水計画を含む前のダム計画には反対。しかし、治水目的に変更後は賛成に回った。
代替案として挙がる下流の河床掘削には「海水が更に遡上(そじょう)する」として反対。下流の浸水地域をなくすにはダム案を推す。「国交省がどんな案を持ち出してくるか興味はある。今さらウルトラCはない」とダムによら
ない治水には懐疑的だ。
◇ ◇
昨年、山鳥坂ダムの妥当性を検証した民主県連の検証委員長の高橋英行衆院議員は「生活再建が動いていないのは残念だ。今後も現状を政務3役に訴えていきたい」と強調する。流域住民らは、国交省からまもなく示される新たな治水案を息をのんで待っている。
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■ことば
◇山鳥
坂ダム
貯水容量は2490万立方メートルの国直轄ダム。82年に旧建設省が予備調査を開始。当初は松山市への分水など利水と治水の双方を目的とした多目的ダムとして計画されたが、01年に松山市など中予地域が分水を拒否し、一旦頓挫。04年に肱川水系の鹿野川ダム改造計画と合わせた治水ダム計画に作り直した。昨年9月に水没地区住民と補償基準
で合意したが、ダム計画凍結で、09年度末で工事は中断している。総事業費850億円のうち約185億円が使われている。
10月21日朝刊
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引用元:アトランティカ rmt
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